転写シートの粘着性について
新しくプロッターを購入し、カッティングを始めた方に多く見られる
「転写シートがくっつかない」という意見について少し述べます
---------------------------------------------------------------
転写シートの粘着力についてですが、基本的に転写シートは
「粘着する力でカッティングシートを持ち上げるものでは無い」
ので、以下の通りすこし述べさせていただきます。
ご存知の通り転写シートはカッティングシートより粘着力が弱く、
この差をつかって施工するための消耗品です。
カッティングシートが台紙に貼りつく力は一般的に150g>5nとされ、
これより弱いとカットするとき刃の動きに負けたり、ずれやめくりが発生します。
転写シートの台紙に貼り付く力はこれよりずっと弱いので
「上から貼ってこすって剥がす」だけでは転写させることは出来ません。
この方法では、つや消しタイプや厚みのあるカッティングシートなど、
全くくっ付いてきませんので「ガムテープを使いなさい」と言わざるをえません。
つまり単純に言うと、
(能動的に)カッティングシートを転写シートに
押し付けて文字通り「転写」させなくてはなりません。
概念としてたとえるなら料理をするとき、たいてい1本の包丁を使います。
ネギ用、イモ用、肉用と包丁をそろえる人がいないように転写シートを
道具として手技で使用しなくてはなりません。
要約すると下記5点のようになります
・転写シートを貼りこんだら必ずひっくり返してシート台紙側から擦る。
(そうしないと糊の層がつぶれてしまうため)
・シート貼り込み時の剥がし始めは両手でめくるようにする。
(はじめから持ち上げようとしない)
・カッティングシートを転写シートに押し付ける用にはがす(乗せるように写し返る)
それを転写シートに乗るまで繰り返す。
・カッティングシートと転写シートの面積比が2:8以下の場合は
剥がすときにセットしたシートをひっくり返し(カッティングシートを下)
スキージをつかって鋭角に剥がす。
この時転写シートに押し付ける感じにする。
【スキージを使った場合】
・転写シート付きでお客様に渡すときは、転写シートの台紙に移し変えてから渡す。
(カッティングシートの台紙のままでは刃の跡に糊が入り込んで剥がしづらくなる。)
最後は特に重要です。
販売時の台紙は転写シートのものを使用するのが理想的です
つまりカス取り後にカッティングシートの台紙のまま転写シートを貼って販売してしまうと、
切り溝に糊が入り込んで剥がしにくくなります。
(夏場は特に)
このためすぐに在庫が掃ける場合は不用ですが、48時間以上は溝のない台紙に
移し変えた方が無難です。
少し長くなりましたが以上参考になれば幸いです。